「マンション管理士とマンション管理職能についての調査」の結果
戸田聡子
はじめに
調査の方法と調査票の回収結果
マンション管理士を対象として、「マンション管理士とマンション管理職能についての調査」を実施し、分析を行った。調査対象としたマンション管理士は、財団法人マンション管理センターホームページのマンション管理士情報検索サービスのデータに住所の記載のあった1480人と、日本マンション学会マンション管理士研究会の会員のうち22人とをあわせた1502人である。調査票は郵送により配布し、調査期間は2003年10月14日から12月31日、調査票の回収結果は表アの通りである。
表ア 回収結果

集計について
○ 本報告書では、単純集計の結果のみを報告している。
○ パーセンテージは、基本的に各設問に対する有効回答者数を母数としている。
○ 自由記入の設問への回答に関しては掲載していない。
○ 各項目行頭のアルファベットと数字(例;Q−1−1)は、調査票の設問の番号とほぼ対応している。
T 回答者の属性
P1:性別
回答者の性別は、96.0%が男性、4.0%が女性で、男性が圧倒的に多かった。

P2:年齢構成
年齢構成は、50代が35.4%ともっとも多く、次に40代が26.2%、60代21.4%、30代12.6%と続き、20代、70代は非常に少なかった。

P3:住所地
住所地は、各都道府県のマンション管理士合格者数およびアンケート送付数にほぼ比例し、東京都がもっとも多く全体の20.1%、次に大阪府13.1%、神奈川県10.6%、埼玉県と兵庫県がともに7.9%、千葉県6.8%、愛知県4.6%、北海道と福岡県がそれぞれ約4%などとなった。


Q1−1:職業
現在の職業についてたずねたところ、「会社員」が36.0%ともっとも多く、次に「会社役員」が24.8%、「自営業(個人事業主)」が20.1%で、これら3つで約8割を占めている。他には「無職」という回答が1割弱あったが、退職後行政の窓口やNPOなどで、ボランティアでマンション管理のアドバイザーをしているという人が多かった。

Q1−2:業種
業種で見ると「不動産業」が31.7%でもっとも多く、次に「マンション管理業」が14.9%、以下は「法律・法務関係」「建設業」「設計管理業」がそれぞれ約7〜8%となった。「製造・サービス業」では、メーカーの中の不動産もしくは建築関連部門にいるというケースが多いようである。また「その他」が2割弱あったが、その内容としては建築や都市計画のコンサルタントなどが多く見られた。

Q1−3−A:管理士以外の保有資格(複数回答)
マンション管理士以外に保有している資格では「宅地建物取引主任者」が約8割、「管理業務主任者」が約7割と非常に高い割合で、「建築士」の16.7%、「行政書士」13.7%と比べ大きな差が見られる。

Q1−3−B:管理士以外の保有資格のうちもっとも早く取得した資格
宅地建物取引主任者が最も多く約6割、次に管理業務主任者と建築士がそれぞれ約12%と続いている。

Q1−4:マンション居住経験
分譲マンション居住の経験の有無については、53.8%が「住んだことがある」としている。

Q1−5−@−A:マンション居住経験者の居住件数
次に、Q1−4のマンション居住経験者に、居住したことのある分譲マンションの件数を聞いたところ、「1件」という回答が67.1%ともっとも多かった。一方「3件以上」住んだことのあるという人は、1割強であった。

Q1−5−@−B:マンション居住経験者の居住年数
Q1−4のマンション居住経験者に、これまでのマンション居住の延べ年数を聞いたところ「5年未満」が19.3%、「5年以上10年未満」が18.4%、「10年以上20年未満」が37.6%、「20年以上」が24.6%で、6割以上の人が10年以上居住していることが分かった。

Q1−5−A:マンション居住経験者の役員等の経験(複数回答)
マンション居住経験者のうち「管理組合理事長」「理事長以外の組合役員」「専門委員会の委員」のいずれかの管理組合役員の経験があるという人は、マンション居住経験者の約8割、全体では4割弱と高い割合となった。居住者としてのマンション管理の経験により、高度な専門知識と職業倫理を持った専門家の必要性を痛感し、これが資格取得へのきっかけの一つとなっているのではないかと考えられる。
